2004年09月25日

本を愛する全ての人に見て欲しい「チャーリング・クロス街84番地」



探し求めていた本を手に入れる喜びを知っている人なら、絶対に見るべき。

これは実話です。
主人公のへレーヌが、その実体験をもとに書いた本がベストセラーになり、それを映画化したものが「チャーリング・クロス街84番地」


英国の古い本を愛する米国の女流作家ヘレーヌは、ある日ロンドンに絶版書や稀書を扱っている書店がある事を知り、注文の手紙を出した。

しばらくして彼女宛てに古書店の店主フランクから丁寧な返信と共に探していた本が送られてきた事がきっかけとなり、2人の文通が始まる。


初めは注文書にお礼が添えられた程度だったのが、だんだんと注文書ではなく、本の感想(ときには罵倒)の手紙になっていく、その過程がおもしろい。

1通の注文の手紙から、20年間100通以上もの手紙のやり取りを通して深まっていく二人の友情、そして周りの人たちとの友情。
登場人物、それぞれの思いも細かく描かれています。

手紙の話題の中心は、ほとんどが古書の内容(面白かった、つまらなかった、破って捨ててやる等々)についてなのですが、本を読む楽しみ、古本を手に入れたときの喜び、ときには最近おもしろかった話やスポーツの話など、

へレーヌは如何にも米国のユニークな女性といった言葉の運びなのに対して、フランクは常に英国紳士らしく真面目で真摯な言葉使い。

対照的な二人の会話(といっても手紙なのですが)が面白いのです。

これは何通りもの見方がある映画だと思います。

へレーヌとフランクの友情の物語でもあり、二人の淡い恋物語ともとれるし(私は友情物語派なのだけど)、へレーヌとフランクの周りの人々との友情物語でもあり、また当時の時代(英国の食料不足時代の話など)が読み取れる興味深いストーリーでもある。

そして、なにより「古書」の楽しみ方を教えてくれる、素晴らしいストーリーでもあります。

古本の自然に開いてしまうページや、文章にアンダーラインが書かれたところを見つけたとき、それが自分も好きなくだりだったり、自分も気に入っている文章だったりすると「おぉ同士よ!」と思う、とへレーヌは言います。
前の持ち主が気に入った場所が分かる、それは巡り合いなのだ、と。

そんな古本の魅力を語るシーンが、とてもステキなのです。


ちなみに、原作の書籍も素晴らしいですよ。
私は原作から入ったので、この映画を見るのがとても怖かった。
原作のイメージを崩して、安易なラブストーリーなどに変えられていたらどうしよう、、、と心配でした。
でも、この作品は原作に忠実に、そして原作では見ることの出来ない英国の風景をプラスして見せてくれた、素晴らしい映画でした。

この映画を見て原作が気になった方は、ぜひ
「チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本」を読んでみて下さい。
また違った面白さを見つけられるはず。


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アンソニー・ホプキンスの作品を片っ端から見てみようと、レンタル店へ行っては彼の出演作を探し回っております。そうして出会ったこの作品。素晴らしいです。古書好きの作家ヘレーヌは新聞広告に載っていたロンドンの古書店にニューヨークでは手に入れることの出来なかった
「チャーリング・クロス街84番地」【Cinemania 〜ムム's selection〜】at 2005年06月13日 19:00